第102章

田中尚哉が駆け寄ってきた。田中辰哉がドアを閉める、その直前。ドアの縁に指を引っかけ、乱暴に止める。

「やっぱりずっと、彼女を狙ってたんだな! いつからだ? 最初から段取りしてたのか?!」

昂ぶった声は震え、肩で息をする姿はみっともなく映った。

田中辰哉は静かに尚哉を見返す。瞳に波ひとつ立たない。

次の瞬間、何でもない動作でドアを閉めた。コツン、と軽い衝撃音。

尚哉の瞳孔がきゅっと縮む。反射的に手を引っ込めた。危うく指を挟まれるところだった。

田中辰哉は向き直り、淡々と、しかし薄い嘲りを滲ませて言う。

「元旦のときから何も変わってないな。自分が選んだことくらい、受け入れるって学ば...

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